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yuri  Perrine's dress  yuri

 ...と言うわけで、まずはペリーヌの身体を入手せねばならなくなりました(こらこら)。
 元を正せばエスパドリーユを履いたその瞬間から何かが変わったのです。(呪いの靴かよ)ホルモンバランスでも変化したのでしょうか?神の啓示が訪れたのでしょうか?Manifest Destinyってやつかも(んな大袈裟な)。まあ、ともかくあの赤い服をこの目で見たくなったのでした。さっそくCOSPAに見積もりを (だからそうじゃなくて)スペイン靴とは違って、服は自分で着るわけにはいきません。もしもリッパにあのような服を着れたなら、どれほど素晴らしいことでしょう(うっとり)。しかし、現実は非情である。残念ながら私は不滅のおっさん太りな体。黒いコート着た切れ長過ぎな目のおねーさんに連れられて機械の体でもGET!しない限りはかなわぬ話。かといって右から左へと女性の体が用意できるはずもないので、私がまずはじめに考えたのはディスプレイ・ボディでした。ほれ、服屋で既製品を着てる首なし腕なし足なし台付きのマネキンです。でもどうせ買うならひととーり人のパーツが揃ってたほうがいいしなあ。と、まあ、私はない知恵をしぼったのでした。(財布もね、(泣))

 結論から言ってしまうと、私の希望した条件ではそもそも選択肢がなかった訳なのですが、一応選考対象とした等身大人形を以下に示しましょう。

  マネキン きゃらめるりぼん
大(固定)
きゃらめるりぼん
大(可動)
きゃらめるりぼん
小(可動)
フィーバードール ファンタスティック CANDY GIRL JP Dolls
価格(万円) 10 25 30 30 13 15 13〜60 60
ポーズ 固定 固定 可動 可動 固定 固定 固定・可動 可動
材質 FRP FRP FRP FRP FRP 塩ビ・ウレタン 塩ビ・ウレタン
〜シリコン樹脂
シリコン樹脂
身長(p) いろいろ 160ぐらい 160ぐらい 140ぐらい 165ぐらい 140ぐらい 140ぐらい 140ぐらい
表情 リアル調 アニメ調 アニメ調 アニメ調 リアル調 アニメ調 リアル調 リアル調
備考 ポーズのバリエーション多数       腕パーツ
数種類あり
ラブドールに
転用可
ラブドール ラブドール
重量約30s超

 後のこと?を考えれば、ポーズをいろいろ変えられることは大きなメリットです。でも可動なおにんぎょはお高いのよね(涙)思案のしどころです。あとファンタステックはもとがラブドールなので取ってるポーズがチト風情に欠けるかな?

 表中の左から5番目まではFRPつまり漁船とかF1マシンのような強化プラスチック製の硬いからだ。す・て・き(違う)。残りの3つはいろいろな材質でやーらかーいからだ。特にシリコン樹脂は医療用に使われたりもする人肌に近い質感の素材。まあ、それでメタメタ高価なのですが、何でそんな素材を使っているのかと言えばこれらがラブドールだから。昔風に言えばダッチワイフね(籐夫人ではない方)。というと怪奇空気人形を思い浮かべるおっさんもいるかと思いますが、滅相も御座いませんゼ、旦那。世の進歩?には目を見張るばかりです。イヤ本当。ともあれ素材が何であれ私の目的には適います。(シリコンの人形では油?が浸潤してくるそうで、洋服を着たままにしておくには向かないかも)

 身長をどうするかはちと問題で、ペリーヌに合わせようとすれば140pくらいの人形を選択すべきなのでしょうが、そうすると「なるべく既製品で揃えたい」という私のモクロミは途端に困難になります。子供服はバリエーションが少ないからです。特に海外のコスチューム屋さんに子供用の歴史衣装が少ないのが痛いです。

 「私の希望した条件」というのはすなわち「アニメ顔のマネキン」です。リアルな表情だと「ペリーヌのコスプレしてる娘さん」になってしまうからです。(それで何が都合悪いのかといえば...特にないのですがね)これでもう上の表ではきゃらめるりぼんシリーズしか残りません。アニメ顔のマネキンといえば、きゃらめるりぼんシリーズの会社は特定のキャラの1/1人形(アスカとかさくらとか)を発売してて有名なところだったりするのですが、それらは「ペリーヌ・コスチュームを着せたい」という私のお馬鹿な用途には不適当です。で、きゃらめるりぼんのなかから選ぶとすれば身長の点からみて小(可動)を選んだらいいようなものですが、私が発注したのはきゃらめるりぼん大(固定)でした。何故なら紹介ページのバニー姿に意識が朦朧としたまま注文してしまったからです(死)のが、これ↓
 ペーパームーン等身大フィギュア きゃらめるりぼん CREXごーじゃす https://secure.pmoon.co.jp/TOUSHINDAI/CR/gorgeous/gorgeous.html

 さて。等身大フィギュア きゃらめるりぼんはBTO(てゆーのか?)が可能で、それはごーじゃすでも同じ。まずは頭部を4つのタイプの中から選びます。クールな顔立ちのびたヘッドにしようかと最後まで迷ったのですが、初心?を思い出してよりペリーヌ度が高そうなめいぷるヘッドを選択しました。次に瞳の色を選びますが、青を選択。次は髪(ウィッグ)。長さは肩丈で決まりなのですが、問題は髪の色(きゃらめるりぼんのカツラは20色から選べます)。アニメに従えば茶色、ヘタするとオレンジ色とかになってしまいます。原作にいう金髪どころか赤毛な感じになってしまいます。そうなればマリさんに関するコメントを言った途端にビルフラン氏はブ厚い辞書で殴りつけられたことは必定。ソレデハイケナイ。かといって天使の後光のような金髪もどうかと思うし。んなわけで間を取って”深い色の金髪”にしようと決意。株式会社ペーパームーン通販部さんに”深い色の金髪に近いのはどの色か”などという捕らえどころのない質問をしたりしてようやく決めた仕様は次の通り。
 頭部-6 (EXめいぷる):00HeadEX-6 / 瞳の色-青:01EyeColor-2 / 瞳の向き-正面:02EyeShift-1 / 髪の長さ・形状-セミロング(ストレート):03WigType-2 / 髪の色-24:04WigColor-6 / 手首-10:09Hand-10 / ボディ-G (ごーじゃす):05Body-G / 固定用腕-G (ごーじゃす):07Armk-G (斜体のものは選択肢がありませぬ)

 とにもかくにも注文のボタンを”ぽちっ”と押したからには後は野となれ山桜。ユーザーサイトでも覗かせていただいて情報収集にでも勤しみましょか。ところがギッチョンチョン。きゃらめるりぼんサイトはやたらめったら少ないのでした。ごーじゃすに至っては未だ見つけることが出来ていません(涙)。一方、世は(世の一部では)降ってわいたようなドールブーム。SDとか22pとか60pとかのドールサイトは山のようにあるのでした(等身大フィギュアほどではないにしてもこれらのドールだってかなりお高い買い物であるはずなのに)。また一応の検討比較対象だったファンタステックドールのサイトもかなりの数があってにぎわってます。贔屓目にみてもこれらの存在比は100:10:1ぐらいでしょう。_| ̄|○
 
(気を取り直して)情報収集の結果、きゃらめるりぼんはかなりのアニメ体型であることを知りました。つまり長い手足と大きめの頭と胸、小さめの胴体と腰、と言うわけです。まあ、ヲタな人向けのアイテム(>きゃらめるりぼん)でしょうから、アニメ体型になるのは必然といったところでしょうか。とはいえ市販の服を着せるとなると問題です。微妙にサイズが合わないのです。だもんで、撮影時には写らないところでは生地をさんだりつまんだりしてるそうです。うーむ、大変そうだ。

 これで中の人のことは良しとして、肝心の服を何とかしましょう。必要なパーツはシミーズにドロワーズ、ブーツ、ブラウス、ボディース、スカートです。
 まず、ボディースとスカートです。ペリーヌがペリーヌたるユエンとも言うべき”コスチュームの肝”ですね。これについては美国のコスプレサイトから買うことにしました。コスプレと言ってもアチラのコスプレサイト(ショップ)はアニヲタとかエロ親爺からの距離は遠いものなのです。でそのコスプレサイトをつらつら眺めていると、向こうで人気のあるのはエリザベス朝だということに気が付きました。16世紀頃ですね。欧米で親しまれているというシェークスピアの影響でしょうか?まあ、それはさておき、そのエリザベス朝の庶民の衣装というのが何でかペリーヌの衣装に似ているのでした。もちろん全く同じと言うわけではありません。ですが変な話ですが、アニメよりホントらしいとも言えるでしょう(?)だのでこれを買うことにしました。購入先はこちらのサイト http://www.crimsongypsy.com/
Classic Bodice outer-Burgundy Cotton Twill / inner-Burgundy Canvas grommets-Brass-x-small-sides_closed-picadils
Circle Skirt Red-waist-22"-length-average 39''-Drawstring-Brass
ボディースの色はブルゴーニュつまりワインレッド、スカートの色は赤です。サイズはどちらも選べる限り小さいものにしました。一般的にアチラの女性は大柄でサイズは日本のひとつ上(アメリカS→日本Mてな感じらしい)だし、ごーじゃすは小さめのサイズだしと言うことからです。

 次にブラウスです。あのクリーム色〜濃いベージュ色の長袖ブラウスはコスプレサイトには適当なものはありませんでした。もっと新しい時代の形のようです。それで現在の婦人服サイトを探し回りましたが、どうにも、こう「ピン!」と来るものが見つかりませんでした。なんというかペリーヌのはシンプルすぎるのです。...待てよ。シンプルと言えばOLさんの仕事着で探せばいいのではないか!ふふふ、ありましたよ奥さん!!オフィスユニフォームのカタログをあさるとそれらしいブラウスが見つかりました。でも、なんでかしらんけどナニガシカの織模様が入っていたりするのでした。いや〜ん。正直言っていい加減疲れてきたので妥協することにしました(←根性なし)購入先はこちらのサイト http://www.aiwanet.jp/
で、ここのカタログを見るうちにオフィスユニフォームだけでペリーヌ色のブラウス・ベスト・スカートが揃えられることに気付きました。毒を喰らわばナントヤラでそれもついでに注文することにしてしまいました。(「バカね!」CV吉田理保子

 ペリーヌの履いているブーツも妥協を余儀なくされました。踵丈で柔らかい革製で、紐やファスナーのない、爪先が丸くてローヒールのブーツがなかなか見つからなかったからです。今どきのアンクルブーツには紐やファスナーが付いているのが普通だからです。考えてみれば当然のことで、履き易さを念頭に置けばそうなるのが普通ですよね。何と言っても100年以上は経っているので、ブーツも進化したのでした。かといってさすがのコスプレサイトにも19世紀末という中途半端な時期の、それも靴という割と地味めなアイテムはあまり扱っていないようでした。(ただしホンモノをあつかうヴィンテージ系のサイトにはありました。価格はン十万円とかでしたけど(笑))まあ、そんなわけでごく普通に通販でブーツを買うことにしました。となればやっぱり千趣会よね(ホントか?) http://www.bellne.com
ショートブーツ 色:ダークブラウン/サイズ:24cm 
ブーツの内側にファスナーがあってややヒールが高いのが残念ですが、シンプルなデザインがペリーヌテイストです。ですがどちらかといえば、アンのブーツに近いかな?

 さてこのサイト的には核心なシミーズ&ドロワーズです。それがなくてはこのサイトも消滅してしまうでしょう。ガンダムで例えるとミノフスキー粒子くらいに重要。(そこまで強調することなのか?)早速オンラインショップを探し回りましたよ。ええ。しかし、現代のシミーズ(スリップ)は短いのでした。普通は腿ぐらいの丈、長くても膝ぐらいまで。ペリーヌのようにふくらはぎぐらいまであるものはなかなかないのでした。生地も薄いし。女性の社会進出とか開放とかの反映ですかね。本当はもっと丈の短いキャミソールとかが主流だそうだから。下着というよりかえってサマードレスとかにペリーヌのシミーズに似たものがあるのかも知れません。
 ドロワーズに至っては既に廃れてしまった下着なので、期待していなかったのですが、なんと日本のコスプレサイトに売っていたのでした!意外なところでゴスロリブームの恩恵にあやかったものです。しかしこれも丈が短いのでした。そしてクロッチレスではないのでした(当たり前や)。この場合、現代日本のドロワーズは”見せる下着”なのでまあ、クロッチレスゆー訳にもイカンでしょうなあ。海外のコスプレサイトにもあるにはありましたが、その辺が不明確なので手が出せないのでした。(エリザベス朝の衣装ではシミーズは重要で現在のブラウス的な扱いであったので、それなりに品揃えもあるのですが、ドロワーズは完全な下着で従って露出する機会も少なく、ショップでも力を入れていないのかも知れません)
 ショップを彷徨ううちにオーダーメイドの下着屋さんというものがあることを知りました。これだ!海外から型紙を入手して作ってもらおう!海の向こうにはコスプレショップもコスプレ衣装の型紙ショップも結構あるのです。それでその中から選んだのはここ http://www.farthingales.on.ca/home.htm
pattern, Victorian underwear Chemise, drawers and 2 styles of corset
当時の下着の型紙セットです。どちらかと言えばコルセットがメインみたいなのですがね。
 光陰矢の如し。そしてそれは来た!いや、なんつーか.....型紙ってデッカイ紙だったのですね?!(←ツーか無知)大昔の肉屋で肉包んでたようなツルンとした紙にサイズごとにパーツが描いてあります。この型紙は結構メジャー?なものらしく、いくつかのコスプレサイトではこれを使って作りましたよ〜という記事が載ってました。この型紙の作成元はここ→http://www.lafnmoon.com/index.html
 しかし、入手しては見たもののよく考えるとなんかアレなような気がしてきました(尊大なる羞恥心の復活!)。そもそもオーダーメイドの下着屋さんというのは、ユーザーの体型にあった付けててストレスの少ない下着を作りましょうというコンセプト。身体にぴったりしたブラジャーとかショーツとかボディスーツとかが対象で、体型をあまり問わないシミーズなんかはあうとおぶ眼中のはず(たぶん)。そんじゃ、この型紙を参考に(日本の)コスプレ衣装ショップで作ってもらおうとすると、型紙そのままでは当然ペリーヌのとは違うシミーズが出来上がってしまうわけで。自分で縫い上げるのなら兎も角。
 ひょっとしてこの型紙は無駄?無駄?無駄?無駄?オラ?オラ?オラ?

 気を取り直してコスプレ衣装ショップでオーダーメイドする事にしました。常識的に言ってコスプレ衣装は高価なものです。万札が羽根を生やして飛んでいきます。しかしもう後戻りは出来ません。毒を喰らわばナントヤラそにょ2、コスプレショップの代名詞・COSPAに見積もりをとってみました。 http://www.cospa.com/order_made/order_made.html
 その時のオーダーは大体こんな感じ↓
[ 衣装を着る方の性別 ] 女性マネキンに着せます
[ 衣装を着る方の身長 ] 161
[ 衣装を着る方の各寸法 ]バスト:78 ウエスト:50 ヒップ:80 腰丈:17 背丈:54 背肩幅:36 袖丈:43 股上:24
[ 製作を希望するキャラクター名と作品名 ] ペリーヌ:ペリーヌ物語
[ 製作して欲しい内容の説明 ]
 シミーズとドロワーズ。いずれも生成りの綿風の生地と色(未漂白の白)。光沢の少ない生地が良い。19世紀末の普通の下着風に。
 シミーズ :s1.jpgはアニメ画面。s2.jpgは全体の感じ・丈。袖無し。袖口にひらひら。四角い首ぐり。
 ドロワーズ:d1.jpgは当時の復刻品。クロッチ・レス。前腰でのみ両足が繋がる。後ろで紐でしばる。膝下の丈。

 COSPAのオーダーメイドでは資料をeメールではなく郵便で送らなければなりません。上の説明と共にいくつかの図を送りました。しばらくして返事が返ってきました。ナニナニ?もっと詳しい寸法を連絡しろ?はいはい。納期は約一ヶ月?ふむふむ。見積もり価格は...きゅ、きゅうまんえん!!??そりゃなんぼなんでもナニがアレではないかいな!この価格なら十九世紀の本物が買えてしまいます。(後に知ったところでは、オーダーメイドの衣装つーものはこんな値段のもののようですね。はぁ)
 ビビった私は別のところにも見積もりを取ってみました。そこでの見積もりは2万弱。COSPAショックでほにゃほにゃになっていた私は速攻発注してしまいました。それはこちら↓
 コスプレ衣装販売 まれすけ本舗 http://www.xanaduproject.com/
納期は2ヶ月先とか。時に西暦二千四年二月一二日、徳川家康が江戸幕府を開いてから401年後のことであった(関係ないちゅーねん)。

つ・づ・く?
 

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