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※注:以下の各年代についてはおおよその目安と考えて下さい。

年代 地球 生物
約150億年前 ビッグバン  
約140億年前 銀河の誕生  
約120億年前 銀河系の誕生  
約100億年前 銀河系とアンドロメダ銀河の「衝突」  
約46億年前 太陽(系)の誕生  
約45億年前 地球(月)の誕生  
約40億年前 海の形成  
約38億年前   生命の誕生
約35億年前   光合成をする生命の出現
約25億年前 超大陸の形成と分裂(ケノリア?)
地球凍結
 
約20億年前   真核生物の出現と多細胞化
19億年前 超大陸の形成と分裂(ヌーナ) アクリタークスの繁栄
15億年前 大気中酸素濃度の増加  
約10億年前 超大陸の形成と分裂(ロデニア)
オゾン層の形成
 
     
約8億年前 海水のマントルへの逆流開始  
約7億年前 地球凍結 エディアカラ生物群
約6億年前 超大陸の形成と分裂(ゴンドワナ) カンブリア大爆発
バージェス動物群
約5億年前   大絶滅
生命の上陸
約4億年前   魚類の繁栄
約3億年前 酸欠イベント 哺乳類型爬虫類の繁栄
大絶滅
約2億年前 超大陸の形成と分裂(パンゲア) 恐竜の繁栄
7千万年前 小惑星衝突(カラ、マンソン、チチュラブ、シヴァ
インド、ユーラシアと衝突し始める
大絶滅(恐竜)
哺乳類の繁栄
5千万年前   ミアキスの繁栄
約500万年前   ホモ属、類人猿から分岐
約300万年前   アファール猿人の出現(直立歩行
約200万年前   ホモ・ハビリス(原人)の出現(石器・火の使用?
100万年前   エキウスの出現
原人の拡散
約20万年前   ミトコンドリア・イブの拡散(新人)

 

ビッグバン

 宇宙開闢の理(こんなとこから始めるんかい(笑))。詳しい話は私には理解不能ですが、150〜200億年前のことらしいです。太陽の誕生と比べると、なんだかそんなに昔のことではないような。

 これ以上遡ることは出来ないと言うつもりで、ビックバンから始めたのですが、宇宙論の進展でそれ以前の事柄も検討の対象になってきているようですね。それによると無数の平行宇宙の存在が許されるのだとか。うーむ。それではペリーヌ・パンダボワヌが実在する宇宙なんてのもあり得るんでしょうかね。無数に散らばるヲタク宇宙....世も末だ。 

銀河の誕生

 銀河の誕生は、ビックバンからだいたい10億年後らしいです。ビックバンから10万年後ぐらいで"宇宙の大構造(むら)"ができはじめ(超銀河団の萌芽?)、それらの中で物質密度が高まり、星や銀河が誕生しました。これら最初の星々が核反応をし、やがてそれら反応生成物を放出することで(超新星爆発)次第に宇宙空間に重い元素が増え、ペリーヌが誕生できる素地も出来てきたというわけです(笑)

太陽(系)の誕生

 超新星爆発による衝撃波によって、とある星間ガス雲の安定性が失われて収縮が始まり、いくつものガスの塊が出来ます。このガスの塊の一つが周囲の星間物質をどんどん取り込んで質量を増し、重力収縮によって温度が上がり赤外線で輝くようになります。この原始星の質量が更に増し、内部の温度と圧力がある条件を満たしたとき、遂に核反応がおきて恒星として輝き始めました。これが太陽の誕生です。*1ガスの塊が恒星として輝くまでの間がだいたい1千万年くらいだそうです。

 太陽が輝きはじめるまえに、その周囲ではガスや塵の小さな塊がいくつもできていました。それらが互いに衝突したりして成長したものが惑星で、そのうちの一つに地球と呼ばれることになる塊もあったのです。

 *1 恒星は多くの場合、集団で生まれるもののようです。有名なすばる星団のように(♪風の中の昴ぅ〜)。そして多くは連星となるもののようです。ふたご座α星・カストルのように。

地球(月)の誕生

 微惑星同士の激しい衝突を繰り返すことによって原始地球は大きくなってゆきました。そして、仕上げとばかりに火星ぐらいの微惑星と衝突すると、それによる膨大な熱エネルギーによって地球は芯までドロドロにとろけました。このことによって地球は内部に金属のコアを持つことになり、強力な宇宙線から生命を守る磁気圏が後に出来ました。ちなみにこのときの大衝突によって飛び散った原始地球のかけらの一部が固まったのが月だそうです(ジャンアント・インパクト説)。原始地球の誕生からここまでに約1億年が経過していました。

海の形成

 太陽が輝き出すと、その強力な太陽風によって残っていた塵やガスは吹き飛ばされ、地球と衝突する微惑星も減ってきます。それとともに地球も冷え始め、岩石から放出されていた水蒸気が水として一気に地上に降り注いで海が形成され始めました。まだ熱い地表に雨が降り注ぐことで更に地表が冷え、さらに雨が降り続きました。海の形成には1000年ほどしかかからなかったそうです。(しかし、千年続く全世界的集中豪雨ってのもすさまじいですね。)

生命の誕生

 原始の海には、原始大気や火山ガス、いまだ降り注ぐ彗星や隕石からの様々な物質が溶け込んでいました。硫化水素、アンモニア、二酸化炭素などの無機物やメタン、エタノール、いくつかのアミノ酸などの有機物です。これらに紫外線や宇宙線、放電、熱などのエネルギーが加わって生命の原型が作られたと考えられています。当時は今よりもっと地球に近かった月の潮汐力による攪拌効果も重要だとか(まさに『乳海攪拌』ですね)。ちなみにいまのところ科学者たちは、実験装置の中の疑似原始地球環境で簡単な蛋白質までの生成に成功しているようです。
 海の形成から程なく生命が誕生したのなら、適当な"反応容器"さえあればどこでも比較的容易に単純な生命は誕生するという気もしますね。なお、生命の起源にはすでに出来上がったものが地球にやってきたと言う説もあります。*1

*1 これは”原始地球に異星人が到達して...”というものではなくて、太陽系内あるいは系外の彗星において原始生命またはその半完成品が生成し、しかる後にそれが地球にもたらされたのではないか、という仮説です。何で彗星かというと、材料に富んでいる上に、高エネルギー環境に曝されていて、しかも数多くの彗星がフラフラと原始地球に取り込まれただろうからです。

光合成をする生命の出現

 地球が誕生した頃の大気中には酸素が存在せず、逆に二酸化炭素は現在の約10万倍の濃度がありました。従って、最初の生物は嫌気性バクテリアでした。酸素がないから当たり前ですね。いまではドブの泥の中なんかにいる日陰者ですが、当時は主役だったわけです。これらは硫化水素やメタンを酸化してエネルギー源とする生物でした。しかし、そのうち、光のエネルギーを利用する生物が現れました。これらは海の中で爆発的に増殖・進化して、廃棄物である酸素を大量に放出し始めました。酸素は強力な酸化力を持つ"有毒"な物質のため、それまでに繁茂していた生物は壊滅的大打撃を受けたことでしょう。

 なお、発生した酸素は海中の鉄分の酸化に消費されたため、大気中には放出されませんでした。このときに発生した酸化物が堆積して鉄鉱石鉱床となったと言うことです。また、最古の生物化石はこの頃のものです。

超大陸の出現

 "超大陸"といってもアトランティスとかレムリアとかムーのことではありません。ユーラシアとアフリカがもっとギュッとくっついたような全陸地面積の多くを占める大陸のことです。牛乳を温めると表面に薄い膜ができますよね。地球の地殻とマントルはちょうどそんな感じで、膜が地殻、牛乳がマントルです。マントルに対流があると地殻が集まるところが出来ます。これが大陸です。大陸が大きいと(超大陸)その下部にはマントルからの熱が蓄積して大きな熱昇流が生まれます(ひょっとして逆?)。これがスーパープルームで、この対流が超大陸を分裂させ、また再び集合させることを繰り返させるのです。

 この超大陸の形成と分裂は、光合成生物の出現以降は地球環境の変動と生物の大絶滅と大進化を引き起こす重要な要因となります。超大陸が形成されることによって宇宙空間に放出される熱量が増大して地球全体が寒冷化し、極端な場合には全球凍結(スノーボール・アース)というシンジラレナイ事件を引き起こします(約25億年前と約7億年前。他にもあったようです)。また同じく超大陸が形成されることによって大陸間の浅い海が消滅すると、光合成をするらん藻類が激減して酸欠イベント(大気中の酸素濃度が急激に低下する)の原因となったとも考えられています。このような極端な環境変化にほとんどの生物は対応できず大絶滅がおこります。そして、状況が変化すると、幸運な生存者は競争相手のいない世界で大繁殖し、生物の急速な進化がおこるのです。

 地球史上定期的に(約4億年周期とか)起こっている超大陸の形成と分裂は、このように生物に甚大な影響を与え続けてきました。超大陸のいくつかには名前が付いています。ケノリア?(約25億年前)、ヌーナ(約19億年前)、ロデニア(約10億年前)、ゴンドワナ(約6億年前)、そしてパンゲア(約2億年前)です。あと2億年ほどするとユーラシア大陸を中心に再び超大陸が形成されて(アメイジア超大陸)やはり大絶滅が起こるだろうと言われています。2億年後の地球で我が世の春を謳歌しているのは、一体どんな生物なのでしょうか。

真核生物の出現と多細胞化

 学校の教科書なんかにある細胞の図を見ると、枠の中にいろいろな模様(なんていうとガッコの先生に怒られるかも。構造か)がありますね。この頃にこのような細胞を持つ生物が現れ出しました。エネルギーを効率よく利用できる内部構造を備え始めたということです(有害な酸素から遺伝情報を守るという意味も)。

 いまでは割とポピュラーな言葉となった「ミトコンドリア」ですが、納豆の品質に怒り出したド関東おやじの心の叫びではありません(「水戸?なんだこりゃ!」失礼しました)。細胞内のエネルギージェネレーターとして働くミトコンドリアはこの時期、共生関係が深まって取り込まれた別の生物が起源ともいわれています(葉緑体、鞭毛も同じ)。また複数の細胞が集合・協調して一つの個体として振る舞う生物も出現し始めました。*1これによって生物は、さらに活動的に、さらに大型に、さらに多様性を獲得して進化していくのです。

 *1 先日、新聞に”約12億年前の多細胞生物の生活痕跡を発見”という記事が出てました。ミミズのような生物がのたくった跡のような化石です。遺伝子生物学では最古の多細胞生物は15億年ほど前に登場したのだろうと言うことです。

オゾン層の形成

 光合成によって有機物を合成する生物の繁殖によって、大量の酸素が放出されるようになって約15億年後には海水中の鉄分はほとんど酸化物として沈殿していました。酸素はようやく大気中にも放出されるようになったのです。大気中の酸素濃度が上がると、大気上層で光化学反応によってオゾンの層が出来るようになりました。この層には生物にとって有害な紫外線を吸収するという性質がありました。いよいよ、生物が陸に上がる環境が整ってきたのです。

 増加する酸素を利用してこれまでにない大きな運動能力を獲得した生物も出現しました。オーストラリアのアデレート北方にあるエディアカラ丘で発見された平べったい生物の化石(エディアカラ生物群:約7億年前)はもっとも最初の"動物"の化石と言えるものです。これらの中にはクラゲやゴカイのような外見をしているものがあります。

カンブリア大爆発

 イギリスのウェールズ地方が吹っ飛んだわけではありません。それまでごく限られた種類の生物しか存在していなかったのに、この時期突然現在の生物のほとんど全ての大分類が出現してしまったのです。この急激な生物の進化を【カンブリア大爆発】と呼んでいます。この頃の化石に謎な生物てんこ盛りで有名なバージェス動物群があります。どうしてこのようなことがおこったのでしょうか?正確なところはわかりませんが、およそ次のような理由だろうと言うことです。
1. 全球凍結が終わった直後で、競争相手がいなかった。
2. ゴンドワナ超大陸が分裂し、生物の繁殖に適した浅い海が拡大した。
3. 上部マントルの温度が低下することによって海水がマントルに逆流し始め、海水面が300m以上も低下した。(浅い海の拡大)
4. 酸素濃度が急上昇し現在とほぼ同じとなる(以前の2〜3倍)。より大型の動物が登場できるようになった。

 当時、陸上はただ風が吹いているだけの侘び寂びの世界でしたが、海中では様々な生物が盛んに登場して栄華を競う華やか?な世界が広がっていました。そう、地球は生命あふれる星へと変貌したのです。

生命の上陸

 このころ最初の生物が陸上に現れたと言われています。陸上は、海中に比べて生命に致死的な紫外線量が多く、乾燥しており、さらに浮力が無いため体を支える構造が必要でした。一方、酸素濃度が海中より遙かに高く、競合生物が皆無であるという好条件もありました。植物にとっては光量も二酸化炭素量も海中より遙かに多いという意味で魅力的な環境でした。

 まず地衣類(コケ)が現れ、ついでシダ類が繁茂しました。しかしシダといってもまだ葉が分化しておらず茎だけのような形だったようです。植物が陸上で成功すると、腐った植物を食べるダニのような動物が上陸し、ついで昆虫類が繁殖しました。中には空を飛ぶものまで現れ、昆虫はこの世の春を謳歌したのです。この頃まだ脊椎動物は陸上の植物を食べることが出来ず、従って、昆虫が繁殖するまで水中でおあずけを食っていたのでした(←注:しゃれ)。

 一方、海中では魚類が大繁殖していました。淡水域に進出する事で現在に近いほどまで進化した魚類は、鬼のように発展したのでこの時期は「魚の時代」と呼ばれるほどです。

絶滅

 生物の痕跡(化石)が残されるようになると、奇妙なことがわかりました。見つかる化石の種類と数が定期的に激減するのです。そして途絶えた種類の生物は二度と出現しません。おおざっぱに言って各地質年代(オルドビス紀とかジュラ紀とか)の変わり目には大なり小なりこの現象−絶滅が起こっているようです。

 絶滅がどうして起こるのかについては諸説あります。前述した超大陸の成長と分裂は大きな要因の一つでしょう。しかしその周期は約4億年で、およそ2600万年周期といわれる絶滅の全てはカバーできません。SF的な説では太陽の未知の暗い伴星ネメシスがこの周期で回っているというものもあります。有力そうだったのは太陽銀河面運動説です。太陽は約2億6千万年の周期で銀河面を周回していますが、これと同時に約6千万年の周期で銀河面に対して上下運動をしています。銀河面には濃密な宇宙塵や星間ガスが存在しているので、約3千万年ごとに太陽はこのなかを通り抜けることになります。このとき新たに捕獲された微惑星や動きを乱されたカイパーベルト天体が太陽に向かって落ち込みます。そしてそのうちの一つが地球に衝突すれば、現在のユカタン半島に落ちた小惑星が恐竜を滅ぼしたように、環境の激変が多くの生物を絶滅させたのではないかと言うことです。

 一方、最近の流行は地球磁場逆転周期の変動から考察されたというプルーム上昇説(D''層周期浮上説)です。これはマントル底部に蓄積した熱が上昇して、そのエネルギーが数十万年ほどの期間で放出されるというもので、天体衝突説の矛盾をうまく説明できるのだとか。この説では恐竜の絶滅をこの頃形成されたデカン高原と結びつけます。これによる膨大な噴出物が環境の激変を引き起こしたというわけです。いずれにせよ繰り返される絶滅が生物の進化に及ぼした影響は明確で、絶滅後に生き残った生物は急速な進化を遂げるのです。人類の環境破壊が今のペースで続き、ついでに自分自身まで滅ぼしてしまえば、数億年先の知的生物によって生物絶滅の第3の説として取り上げられるでしょう。

哺乳類の進化

 私たちの属するグループ−哺乳類の直接のご先祖は「哺乳類型爬虫類」と呼ばれる爬虫類の一派です。なんか気の毒な命名ですね。彼らは約3億年前に大いに栄えたのですが、有名な恐竜絶滅(約6500万年前)より遙かに規模の大きな絶滅(約2億3千万年前)とともに衰退し、主役は恐竜へと移ったのです。しかし生き延びた哺乳類型爬虫類の中から進化したのが哺乳類というわけ。約2億年前のことだといわれています。彼らは小さなネズミのような姿をしており、恐竜のおこぼれの腐肉や昆虫などを食べる夜行性の動物だったと考えられています。現在のほとんどの哺乳類の視覚が、恐竜の子孫とも言われる鳥類の視覚に比べて劣っているのはこのなごりとも言われています。1億5千万年ばかりの下積み生活の末、とうとう哺乳類はスポットライトを浴びることになります。それまでの主役であった恐竜が引退したからでした。まあ、ご先祖のカタキをとったといったところでしょうかね。

 この主役の交代がおこなわれた頃、いよいよペリーヌ物語の主役たちのご先祖が登場しています。すなわちペリーヌのご先祖とバロンのご先祖はそれぞれ森で虫などを食べるネズミぐらいの大きさの動物で、パリカールのご先祖は森に生きるキツネぐらいの大きさの動物でした。

バロンへの進化

 恐竜絶滅から1千万年前ばかり経った頃、密林で昆虫やネズミ(のような生き物)などを食べるイタチぐらいの大きさの肉食獣ミアキスが繁栄します。このミアキスはほとんどの肉食哺乳類の祖先で、犬もその例外ではありません。猫もこのミアキスを祖先とするわけですが、おもしろいことに犬と猫のその後の進化については、後で出てくるヒトの進化と同じような事が考えられています。すなわち森を離れたミアキスが犬などへと進化し、森に残ったミアキスが猫へと進化したというのです。それぞれの特性の違いは(犬:集団生活・追い込み・持久力 猫:単独生活・待ち伏せ・瞬発力)それぞれが選んだ環境に適応することによって生まれたと考えられています。

 さてその後のイヌに連なる進化の道筋はまだはっきりとはしていないようですが、ともかく約6百万年前から約3百万年前にイヌ直系の先祖となるオオカミの系統が現れたようです。後に御主人となるペリーヌの遠い御先祖がチンパンジーから分岐したかどうかという頃のことです。

パリカールへの進化

 恐竜絶滅前の頃、森に生きるキツネぐらいの大きさの草食動物エオヒップス*1が北米大陸に現れました。これがロバやウマの祖先となる動物です。彼らの子孫は、より消化しにくいイネ科の植物を消化できるように、乾燥化によって広がった草原をより速く駆け回れるように肉体の機能を改良してきました。そして約百万年ほど前に現在の馬に近いエキウスが出現しました。そして、他の大陸へと広く分播していったのです。*2

 ところがこの後の彼らの運命は過酷なものでした。次第に数と種類を減らして、約1万年ほど前には絶滅に近い状態になりました。原因としては気候の変動と共に人間の関与が考えられています。つまり格好の獲物とされていたわけですね。すなわちパリカールとペリーヌの関係は「仇を恩で返す」という関係になるわけです。

*1 エオヒップスというのは別名のようで、正式な学名はヒラコテリウムHyracotherium。現在のウマのように一本指ではなく、前足は4本、後足は3本の指をもっていました。
*2 不思議なことにウマ類の進化は北アメリカでおこりました。ユーラシアなどのウマ類はすべて陸続きになったベーリング海をわたっていったのです。

ペリーヌへの進化

 恐竜絶滅の頃から霊長類(しかしまあ、ずいぶんな命名ですこと)の進化が始まったと言うことです。霊長類からはまず、今のキツネザルのグループが旗揚げ(約5千万年前)、類人猿へと進化するグループの独立は約2500万年前、そして約5百万年前にヒトの系統が類人猿たちと袂を分かったのでした。

 この時の事情は有名ですね。彼らの生息していた東アフリカの地に地殻変動が生じて、森林帯とサバンナに分かれました。より環境の厳しいサバンナに生きることになったグループは、視野を確保するために直立し、手を使うようになり、脳が異常に発達し始めたのです。以来ヒトの系統には様々な種が登場しましたが、現在残っているのはただ一つホモ・サピエンスのみで、残りは全て絶滅したのです。(いわゆるUMAのなかには彼らの末裔がいるのかも)

 ほかの全ての生物と同様ヒトの進化には気候の変動−つまり氷期と間氷期の周期が大きな影響を与えています。氷期を乗り越えるたびにヒトは猿人から原人,旧人,新人へと進化しました。肉体的にはだんだんとヘボい方向に移行しているのが特徴ですね。例えば顎ががっしりして何でも食べられた猿人の系統が滅び、顎は華奢でも火を使えた猿人たちが生き延びたように(もしそうでなければペリーヌの姿は...筋骨隆々金髪をなびかせるシュワルツネッガーをたくましくしたような可憐な少女で、マリさんを乗せた馬車?を牽いてアルプスを越え、パリからマロクールまで1日もかからず到着したでしょう。パリカール?おいしくいただきました(笑))。

 気候の変化はいまだ農業や牧畜といった技術を知らないヒトの祖先に、進化と同時に地球規模の移動を余儀なくさせました。ヒト誕生の地・北アフリカから約100万年前には原人(ホモ・エレクトス)が、有名なミトコンドリア・イブたち(新人)の拡散がはじまったのが約20万年前です。そして今から約1万年前にはパタゴニアの突端にまで到達、約2千年前には太平洋の島々にまで辿り着いて、文明とか文化とかシャラクサイことを全世界で言い出すわけです。一方で最後の僚友ネアンデルタール人の痕跡が消えるのが今から約3万年前のことでした(ネアンデルタール人のような旧人と私たちの先祖・新人の関係は”亜種同士”といったところのようで、新人が拡散する先々で対立と交雑を繰り返したのでしょう。で、より悪賢い方が残ったということで...)。

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