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yuri  Indian clothes  yuri

 ”おまえにもインドの血が流れているのだから、きっと似合うはずよ”
と、マリさんは言ってました。たぶん亡くなる前にそれは彼女の愛娘に伝承されたのでしょうけれど、少なくとも画面には登場しませんでした。それならぜひ見たくなるのが人情というものです。インドの民族衣装として泣く子も黙るほど有名なサリー。ですけど日本のイナカでは余り見かけないのも確かです。そういう人にも役に立つのが『ペリーヌ物語辞典』!(ほんとか?)よし、さっそくコラージュ画像を作って、いえいえ、ウチの箱入り娘さん(文字通り)に御登場頂いて華麗なるサリーsariを披露していただきましょうか。

 それでは何をなくともマリさんのに似たサリーを入手しなくてはなりません。緑色で金糸で模様の入ったサリー布です。検索してみるとサリーそのものは意外と簡単に豊富な種類が入手出来ることが分かりました。無地の普段着的なものから豪華な刺繍の入った結婚式用のものまで。安価な化繊から煌びやかな絹製まで。価格にすると千円以下からじゅうまんえん以上までの巾があります。日本でもイベントなどでサリーを着てる人が結構いるのでしょうか?それともこの島国でもインド人が増えてるんですかね?
 とはいえ”緑色で金糸で模様のサリー”となるとなかなかありません。”緑”ってインド的には人気がないのかも。仕方がないので罠を仕掛けて待つことにしました。ヤフオクでアラームをセットして気長に待つことにしました。チェックした単語を含む出品があるとメールで知らせてくれるというアレです。
http://auctions.yahoo.co.jp/jp/
http://alerts.yahoo.co.jp/
待てば海路の日よりありとはよく言ったもので、ほどなくしてなんとか条件に合いそうな出品を見つけることが出来ました。その出品者さんはどうやら業者のようで、何故かタヒチの人でした。

 サリーが入手できたことで、次のターゲットはその下着となりました。ごく短い上着とペチコート、つまりチョリとチョニアです。これらは基本的にサリーと同系色にするもののようです。これはサリーを検索したときに見つけたインド雑貨店で購入しました。インド雑貨屋SUNDAR(スンダル)http://sundar.jp/
 
ありがたいことに、このサイトにはサリーの着方を解説したコンテンツもあって便利なことこの上なしです。
マリさんは暗緑色のチョリを着てましたので、それはこちらで選び、ペチコートのほうはお店の方に選んでいただきました。
http://sundar.jp/choli2.htm
http://sundar.jp/petticoat.htm
でも今にして思えば、ペチコートも色指定すれば良かったのかも(笑)

 マリさんは靴を履いてます。ペルシャ風のつま先が細く尖ってキューッと持ち上がった靴です。ジョラJoraというのだそうです。本来インドでは裸足が普通でしたが、次第にサンダル履きが広まりました。またペルシャ風の靴も流行ってきているそうです。が、19世紀ではそうではありませんでした。ですから裸足である方がよりインド人なマリさんらしい装いなのです。ので、靴は購入しませんでした。へ、どっとはれ(でもホントは購入できそうな店を発見できなかっただけなのはナイショです)。

 マリさんはたくさんのアクセサリーを身につけてます。煌びやかですねえ。幸い前述のインド雑貨屋SUNDARではインドのユニークなアクセサリーの数々も扱っていました。腕輪、首輪、ペンダントにイヤリング、髪飾りを買い揃えました。全部イミテーションの金に過ぎませんが、身に付けさせると、ぅわーお、文字通りゴージャスですねえ。

 

sa_1  サリーは1×6mくらいの布(地方によって長さは4mから10mまでと様々です)を身体に巻き付けて着る服です。たぶん人類が織物を発明して最初に開発した服の直系子孫なのでしょうね。とは言え、ただぐーるぐると布を巻き付けたものではありません。途中でチョンニィChunni(プリーツ)を作って飾ります。これが大きさがそろってすーっと流れてるのが着こなしのポイントだとか。ついでにいえば裾は出来るだけ長くてかつ引き擦らず、足も甲まで見せないのがヨシとされるとか。

 サリー布には大抵上下に幅広ラインが入っていて、いちばん後ろの部分に最も豪華な文様が入っています。この最後の部分をパッルpalluといい、サリーを着る際の重要なアクセントとなっています。いちばん見栄えのする部分ですしね。画像では後ろに長く垂らしてますが、これも長いほど(そしてそれでも自然な動作が出来れば)上品であると評価されるみたいです。

 サリーは、本来既婚者が着るもののようです。サリーの意匠の意味に関しては無知ですが、ただ白色のは寡婦が着るもののようですよ。

sa_2 sa_ac_1 左/パッルを腕に掛けて立ち振る舞うこともアリだそうです。なんか振り袖みたいですね。

右/アクセサリーの群れ。少しでもインドに関心のある人ならば、インドの装飾感覚が通常の3倍どころか10倍もハデなことを御存知でしょう。画像の程度では何もアクセサリーを付けてないのも同然です(笑)。それにしても顔の近くに光り物があるのは、容色が引き立つものですねえ。イヤリングなんかはコワイおにいさんが付ける物かと思ってましたが(笑)、こういう大きな物がキラキラしてるのはカラスでなくとも惹かれますね。

sa_ac_2 左/アクセサリーは上からヘッド・ティカ(Tikka)、イヤリング、ネックレス×3、ネックレス、チューリー(腕輪)です。

 インドの女性というとなんか髪を上げているイメージがあるのですが、額の第3の目のあたりにヘッド・ティカの丸い部分が来るように付けます。ごーじゃす@めいぷるは金髪さんなので、やや目立ちませんが、マリさんのように黒髪ならすごく映えますよ。

 今回のオススメは、首にぴったりとした幅広のネックレスというかチョーカーですよ、奥さん!なんとも言えず豪華です。インドのアクセサリーというとこんなふうに大きくて煌びやかな感じがしますね。そう言う意味でもイイ感じです。
 マリさんはペンダント・トップがなんか菱形のペンダントをつけてました。それで似たようなのを探したのですが...イマイチでしたね。
 同じくマリさんは大きな玉の連なったネックレスをしてますが、適当なのがなかったので作りました。木の実のネックレスみたいなのは100円ショップから数珠(笑)を買ってきて、バラして繋ぎ直しました。大きな玉のは、100円ショップのビーズと結び留め玉で作りました。数珠ネックレスの方が安い割にいい出来かな?

 薄い腕輪チューリー。ホントいうとサイボーグみたいにたーくさん腕輪をつけるのが吉です。しかし、FRPの肌に金属製アクセサリーをつけるのはすごーく不吉なので(塗装がハゲる)、この程度に抑えました。もっとジャラジャラさせたいです。

 マリさんのアクセサリーはほとんどが金色です。これはインド的な特徴なのかどうかは知りませんが、とてもごーじゃすな感じになるのは確かですね。
sa_un_0 左/下着です。とは言え、上着チョリCholiのほうはどちらか一方の肩は見せることになります。

 どちらもサリーより濃い色でサリーと同系色であることが多いようですが、決まりというものはないようです。特に見せることになるチョリはその人のセンス次第、ということのようです。

 サリーはがっちり肌をガードするというような物ではなく、どちらかといえばゆる〜い衣装なので、おへそや腰の辺りが完全に隠されるという保証はありません。そのような工夫をすることは可能ですが、むしろ「見えるものは見せてやる!」ぐらいの心構え(?)がサリーを着こなすには必要なようですね。

sa_un_u sa_un_d 左/チョリです。伸縮性のある薄い生地で出来ています。丈は短くおっぱいの下ぐらいまでしかありません。身体にぴったりしたチョリですが、サリーのシルエットを美しくするにはこの”からだにぴったり”していることが必要なのだそうです。

右/ペチコートのチョニアChaniaです。かなりしっかりした生地で出来ています。紐綴じです。チョニアは腰ではなくて腰骨のあたりで引っかけるのがコツだとか。サリーは布の端をチョニアに挟み込むことで固定されていますから、腰で締めてしまうとサリーの着姿が崩れてしまいます。サリーの裾からチョニアがのぞいてしまうことはみっともないこととされているので、要注意ですよ。

sa_m2  ファンの方は気付かれたでしょうが、『ペリーヌ物語』でのマリさんのサリーの着付けはこれまで紹介してきた物とは違います。すなわちマリさんのは
 1.左肩のチョリが見えてて
 2.生地の端をベールのように頭にかけている
という着方です。実はこれまで紹介してきたのは現在主流な着方で、それは本来南インドのもので、映画などで全土に広まったものだとか。
 一方マリさんのような着方は中南部のクールク地方(今のカルナータカ州)のもののようです。また北部インドでも年寄りは左巻き(?)にすることもあるそうです。

 現在の着方との相違は
 1.胸を覆う布は...
    今   :右腋から左肩に上げる
    マリさん:左腋から右肩に上げる
 2.パッルは...
    今   :左肩から後ろに流す
    マリさん:右肩から上に上げて頭を覆う
 てな感じ

 今回、サリーを着せてて思ったことは
「この色、この光沢、この衣擦れの音
 ....なんか坊さんの袈裟みたい」
ということでした(笑)。まあ、ルーツだとしても不自然でもないかな。

 

 さて、皆様。
 インターネットの持つ”シッタカブリ機能”を駆使し、インドグッズショップで散財した挙げ句に提供するペリーヌ@サリー、如何でしたでしょうか?サリーはゆる〜い衣装で、ただ着せる(着る)だけなら意外と簡単に出来てしまいます。巻き付けるだけですからね。ただし、それ故に”かっこよく”着せようとすると非インド人には途端に敷居が高くなってしまいます。着こなしにはテクニックとセンス、経験と気配りが必要です。さらには立ち振る舞いや仕草といったものもサリーに適したものにしなくては点睛を欠くというものです。それでもサリーの流れるような美しいひだや衣擦れの音はノウハウを身につける労力を補ってあまりある、ものなのかも知れません。まあ、このアホなコンテンツでサリーに興味を持った方がいたとしたら、折角ですからその方向へドンドン深めていって下さいね。

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